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チェ 39歳 別れの手紙 ◆ Guerrilla [いんぷれっしょん]

che39_1_1b.jpg革命家の生き様死に様、過酷なゲリラ戦に息が詰まりそうに・・

 世界中注視の元、国連議場での演説シーン、前作で描かれ、生涯で最も注目された時期から数年後、再び革命闘争に身を投じ、その生涯を閉じるまでの1年余りを描いた今作は、深く胸を打たれた作品でした。 今、顧みてみると、前作はこのPart2を見せるためのプロローグであったと位置づけてもいいのかも知れません。

 一歩ひいた視線で撮られ、ドキュメンタリー色が濃く、突き放した印象の前作「28歳の革命」と打って変わり、ハンディカメラを駆使し、チェ自身、あるいはゲリラ戦士の目線にいるような映像は、臨場感に満ち、あたかも自分が過酷なゲリラ戦を体感しているようです。 戦闘シーンも多く、彼の伝記的な側面だけでなく、普通のドラマとしても十分に楽しめると思います。

 そして、今までほとんど知らずに過ごしてきた、革命家チェ・ゲバラという人物の生き様、死に様を、今初めて驚きと敬意を持って眼にしました。 劇中で語られる、彼の言葉のすべてが真実であり、一つ一つが重く迫ってきます。 

 キューバ革命後、政府の要職に就きながら、そのあまりの理想主義ゆえ、周囲から疎まれたというカリスマが、政治の舞台を捨て、妥協を許す余地のない究極の「仕事場」戦場に再び戻っていったのは、 必然だったのかもしれません。 che1.jpg

 史実により周知の通り、この闘争は失敗に終わり、ゲバラ自信も処刑されるのですが、組織の小さなほころびや、現政権と米国による軍事、情報両面からのゲリラ掃討作戦により、追い詰められ敗走する過程で、あるいは、捕らえられ、処刑を待つ僅かな時間の中で、皮肉にも彼のリーダーとしての資質が最も輝きを放っていたように受け止められました。 

 圧倒的に不利な状況でも、最後まで革命の成功を信じていたのでしょうか?  古ぼけた小屋の中で銃口を向けられ、絶命する瞬間の目線の先には、何を見ていたのでしょうか?  もしも今、彼が存命だったら、イデオロギー対立は既に過去のものとなり、グローバリズムの名の下、市場経済最優先の結果躓き、混迷を深める今の世界をどう見るのでしょうか? 硬派な作品を見終わっての素直な感想です。

09/2/12 MOVIX橋本にて


 
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