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レボリューショナリー・ロード -燃え尽きるまで- ◆ Revolutionary Road [いんぷれっしょん]

Revolutionary Road.jpg 「革命的な道」・・どんな意味だろうと、頭に「?」をいくつか浮かべながら、劇場へ入りました。 主役の夫婦二人の、若き日のエピソードからストーリーは始まりますが、いきなりの過激な罵り合い。 美しい純愛物語ではなく、これは、夫婦間のリアルな心理劇でした。

 1950年代のコネチカット州“レボリューショナリー・ロード”という閑静な住宅街に暮らすフランクとエイプリルのウィーラー夫妻は、傍目には絵に描いたような幸せなファミリーですが、その実、お互いの心には、かつて思い描いた未来像と現実のギャップに対する不満がくすぶっているのでした。 そして思いついた、新しい自分たちに生まれ変わるための夢の計画。 そこから二人の人生に狂いが生じてきます。

 事務機械販売会社のオフィスで、お気楽サラリーマン生活を送る夫、女優の夢をあきらめ、刺激のない専業主婦業に欲求不満の妻。 二人共に好演と思いますが、特に今年のアカデミーの主演女優賞を獲得した、ケイト・ウィンスレットの、パラノイア的シアワセ渇望症候群ぶりは迫真で、夫のディカプリオが気の毒に思えるほどです。

  意図せぬ妊娠と、早すぎる結婚。 思い描いたバラ色の未来と、現実とのギャップ。 性差や価値観の違いによる、夫婦の意識のズレ。 互いのモヤモヤ感を心に押し込めながら、何とか形としての家族を維持しよとするポーズ。 既に結婚生活を送っている者なら、ひとつ以上は共有していると思われる問題を「さあ、どうだ!!」とばかりに突きつけられ、そのリアルさには少し参ってしまうほどです。

 終盤に、二人が交わす決定的なバトル、その翌朝陽光の中で見せる、妻の信じられないくらいの穏やかな表情・・ そして、続くカタルシス。 救いのない結末ですが、サム・メンデス監督のすばらしい演出で、見事な締まりだと思います。

 そして、後日談の形で描かれるエンディングで、人生を達観した老人が取るシニカルな行動。 心の中で、小さく拍手を送りました。


09/2/26  MOVIX橋本にて

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