キリングフィールド◆TheKillingFields [いんぷれっしょん]
最近、10年ぶりくらいにDVDにて見ました。
"Forgive me." "Nothing to forgive you, nothing." ジョン・レノンのイマジンのメロディーをバックに交わされる米国人とカンボジア人二人の短い言葉、このエンディングは涙なしでは見られません。
実在のジャーナリスト、シドニー・シャンバーグと、カンボジア人助手、ディス・プランの友情を描いた物語ですが、公開当時、この作品から、クメール・ルー
ジュによる300万人超ともいわれる大虐殺の現実を衝撃を持って目にされた方も多いと思います。想像を絶するすさまじい殺戮と文明破壊、その一端を垣間見
ることができるという点でも評価できると思います。
強制農場から脱出したプランが目の当たりにして身震いした、累々と屍が連なる“killing fields”の光景は目を覆いたくなります。
ディス・プラン役のハイン・S.ニョール、その静かで見事な演技は随所で見る者の胸を打ちますが、俳優は本業ではなかったとのこと、実際にポ政権の期間を生き延びたことに裏打ちされたものだったのですね。
そして、音楽はあの「チューブラー・ベルズ」のマイク・オールドフィールド。納得です。
一方、マルコヴィッチが演じたカメラマン、ロッコフが、プランを利用し見捨てたとして、シャンバーグの行為を責め、本人も苦悩する様子が描かれますが、再見してみると、このあたりの表現が少し物足りなくは感じました。 エンディングへ続く物語の核心部分なので、少し残念ではありました。 とはいえ、自分の中では生涯心に残る作品であることは間違いありません。
余談:作品の前半、政府軍の女兵士が聴いているラジオから流れてくるのはウイングスの"バンド・オン・ザ・ラン"ですが、エンディング曲との対比に意味があるのでしょうか?
- 出版社/メーカー: ビデオメーカー
- メディア: DVD
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